JAMAの「便秘治療レビュー」を読む

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 米国において,年間少なくとも800万人が医療施設を受診する慢性便秘は,診断検査や処方薬,市販薬などの膨大な医療コストがかかっており,これはわが国でも同様に問題である。慢性便秘症の有病率は年齢とともに増加し,特に女性は男性の2倍以上である。

「便秘」は,一般的に,その意味するところは多様であるが,医学的には,「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義される。一方,「便秘症」となると便秘による症状が表れ,検査・治療を要する場合の診断名となる。症状として,排便回数減少によるもの(腹痛,腹部膨満,硬便による排便困難など)と便排出障害によるもの(過度の努責:排便時のいきみ,軟便なのに排便が困難,残便感があり,それによって頻回便となるなど)がある。実際には,便秘症の治療は,医療機関を受診せずにOTCつまり市販薬で行われているのが主流であり,医療機関を受診している場合でも,消化器科ではなく,他にも疾患があって同時に便秘診療もしているか,あるいは他の疾患の合併症として診療されているケースも多い。

  最近のJAMAのレビューでWaldが慢性便秘診療の進歩についてまとめている(JAMA2016; 315:185-191)。今回はこのレビューを紹介したい。

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