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ドクターズアイ 山田悟(糖尿病) ドクターズアイ 山田悟(糖尿病)

拡張期血圧の下げ過ぎに警鐘

北里研究所病院糖尿病センターセンター長 山田悟

 2016年12月07日 11:00

研究の背景:血圧に関する大きな研究成果が昨年、今年と報告

 最近、高血圧に関する考え方が大きく揺れているように感じる。

 ACCORD-BP試験(N Engl J Med 2010;362:1575-1585)では、糖尿病患者を対象に収縮期血圧(SBP)120mmHg未満を目指した介入を行い、心血管イベントに大きな差異が生じなかった。このことは、それまでの"The lower, the better"の考え方を揺るがし、2014年まで130/80mmHg未満を糖尿病患者の降圧目標としていた米国糖尿病学会をして、2015年以降、140/80mmHg未満に目標を緩める方向に向かわせしめた(Diabetes Care 2015; Sup1:S49-S57)。また、同じく130/80mmHg未満を高リスク者や糖尿病患者の降圧目標としていた欧州高血圧学会/欧州心臓病学会をして、140/90mmHg(糖尿病患者以外)もしくは140/85mmHg未満(糖尿病患者)に目標を緩める方向に向かわせしめた(J Hypertens 2013;31:1925-1938)。

 しかし、2015年に報告されたSPRINT試験(N Engl J Med 2015;373:2103-2116)は、糖尿病のない心血管疾患高リスクの高血圧患者を対象に、SBPを120mg/dL未満にすべく強力に降圧する介入を行うことで、140mg/dL未満にしようとしたコントロール群と比較して複合心血管イベントや総死亡率を抑制することができた。この結果は、治療目標を緩める方向に向かっていた諸学会のガイドラインに再変更を迫るものであり、この研究以降の高血圧治療は"post-SPRINT era(SPRINT試験後の時代)"と呼ばれるようになっているらしい。

 そんな中、今年(2016年)報告されたのがHOPE3試験(N Engl J Med 2016;374:2009-2020であり、心血管疾患の既往のない中等度リスク者(平均血圧138.1/81.9mmHg;糖尿病患者は5.8%)を対象に、SBPの降圧目標を130mmHgとする介入群とプラセボ群を比較したところ、3ポイント MACE(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中)をはじめとするエンドポイントに有意差は得られなかった。

 正直、これで私の頭の中は再び大きく揺るがされている。糖尿病患者(ACCORD-BP)、高リスク非糖尿病患者(SPRINT)、中等度リスク者(HOPE3)のいずれの試験結果を目の前の患者に適応して考えればよいのか。別な言葉で言えば、どの程度の血圧を目標値とすれば、どんな臨床上の効果が得られると期待できるのか。正直、その疑問に答えられなくなっているというのが私の現状である。

 そんな中、どれほどの血圧を降圧目標とすべきなのかについて、特に拡張期血圧(DBP)への視点が重要であることを示す研究がJ Am Coll Caridol2016;68:1713-1722)に報告された。DBPの過降圧に対する警鐘を鳴らす論文としてご紹介したい。

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