医学の進歩により、がんは「不治の病」ではなく治療と回復が十分に可能な疾患となった。その結果、がんサバイバーが急速に増加している。また、心疾患患者も生活習慣の欧米化と高齢化によって増加。必然的にがんと循環器疾患の合併患者を診療することの重要性は高まっている。腫瘍循環器学(Onco-Cardiology)の視点から、さまざまながん治療が心血管系に及ぼす影響とその対策などを中心に論じたい。