健常者の23%に聴診異常、ラ音をどう判断? 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 研究の背景:健常者でも時折聴取される呼吸音の異常 外来や病棟で毎日聴診していると、ふと気付く。特に病気というわけではないのにラ音(副雑音)が聴取されることがあるのだ。特に、高齢者では間質性陰影がほとんどないにもかかわらず、吸気時に背部でfine cracklesが聴取されることがある。これは何を聴いているかというと、肺胞や末梢気道が引き伸ばされるときの"破裂音"である。高齢者では老化により肺胞隔壁や肺胞道が折り畳まれている部分があり※、これが軽度の間質性陰影やfine cracklesの原因となる。 私は呼吸器内科医になって12年になるが、10年前と比べると聴診する機会が減った。これはおそらく、胸部画像技術が進歩したためであって、決して診療がおろそかになったわけではないと弁明しておく。 とはいえ、閉塞性肺疾患の診断において、聴診は必須の身体所見であり、wheezesの程度によって重症度を測ることが可能である。 さて、呼吸音の聴診では、連続性ラ音と断続性ラ音の2種類があり、前者の代表格がwheezesであり、後者の代表格がcracklesである。cracklesには湿性のcoarse cracklesと乾性のfine cracklesの2種類があるが、大事なのはfine cracklesである。これは、間質性肺疾患を同定するときに有用だからだ。 今回、一般人口集団において、これらラ音がどのくらいの頻度で聴取されるのかを調査したノルウェーの研究を紹介したい(BMC Pulm Med 2019;19:173)。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×