第4回:「先生に私の気持ちが分かるんですか?」

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 あなたはある患者に厳しい病状を告げた。最後まで伝え終わったとき、その患者は涙ぐみ、沈黙した。あなたは重苦しい空気に居心地の悪さを感じ、「悲しいですよね」と言葉をかけた(このような言葉を、本稿では「患者の気持ちを言い当てる言葉」と定義する)。するとその患者はやや憤慨した様子で、「先生に私の気持ちが分かるんですか?」と言った。あなたはなんと答えてよいか分からず、当惑してしまった。患者は言葉を続けた。「私は悲しいんじゃない、悔しいんです。今まで文句を言わずにつらい治療も受けてきたのに、それが無駄だったと思うと、とても悔しい。私の時間を返してほしい」。

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