日常生活で出会う医療は、本質としてサービスですし、それを行う人です。さらに、この領域は特殊でマイナーな世界ですから、これを生業として選ぶ人は、多少ともサービスの意向を天性として備えています。 そうした天性を備えた人との出会いには、互いの相性があり、良い相性には癒しの作用があります。ですから、精神科医療や心理療法を探す際は、相性を指標に選ぶのが有用です。だけど、困っている人は「頼り」を求めていますから、相性を見定める余裕がなく、治療者の雰囲気にしがみ付いたり、考えに「洗脳」されて信じ込んでしまいがちです。まれに、自らの考えや態度に自信満々の治療者(?)があり、悩んでいる人を餌食にする例がありますが、その多くは非専門家です。 本物の専門家は一面では、自身が「悩む」人、「自信のない」人で、それがゆえにこの領域を生業として選んだ人です。よく言えば「良心的」な人なのです。ここから、困った事態が生じます。