年々の危機にそなえる

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お盆とお正月は要注意

「お盆とお正月は要注意だよ。親戚が集まるだろ」

 そう教えてくれた先輩が誰だったのか思い出せない。30年近く前のことだからというだけではない。この言葉を聞き終わらないうちに、お盆やお正月の親族の集まりに身を置くのが苦痛でならなかった私自身の記憶がよみがえったからだ。学校はどう、勉強は、部活動は、将来は何になるの。囲まれて、視線を注がれ、尋ねられた質問に無邪気に答えていられる年齢を過ぎると、この手の質問が煩わしい。

胡桃澤 伸(くるみざわ・しん)

精神科医・劇作家

1966年、長野県生まれ。95年から神戸大学精神神経科での勤務を開始。その後、大阪、東京、千葉の病院に勤務。専門は統合失調症、外傷性精神障害。劇作家として「くるみざわしん」の筆名で関西を中心に上演を続けている。「同郷同年」が「日本の劇」戯曲賞2016と第25回OMS戯曲賞大賞、「忠臣蔵・破 エートス/死」が2019年文化庁芸術祭新人賞を受賞。共著に『中井久夫講演録 統合失調症の過去・現在・未来』、近著に『くるみざわしん 精神医療連作戯曲 精神病院つばき荘/ひなの砦 ほか3篇』(いずれもラグーナ出版)がある。

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