精神科医が考察、GLP-1RAの自殺リスク
最新のメタ解析から
研究の背景:GLP-1RAの使用が増加、自殺リスクは大丈夫か?
以前の本連載で、低カロリー食が抑うつに有効な可能性について紹介した(関連記事「肥満を是正するとうつ病は改善するか?」)。肥満症の治療には、肥満手術(減量・代謝改善手術)も行われるが、肥満手術後に自殺のリスクが高まることも知られている(Obes Rev 2013; 14: 369-382)。
最近話題の肥満症治療といえば、GLP-1受容体作動薬〔GLP-1RA:セマグルチド(商品名ウゴービ)など〕である。肥満手術後にGLP-1が増加することが知られていることもあって(Ann Surg 2009; 250: 234-241)、GLP-1RAで自殺念慮が増加する可能性が懸念されていたが(Diabetes Obes Metab 2017; 19: 1529-1536)、2023年、欧州医薬品庁(EMA)の安全性委員会はアイスランド医薬品庁からの報告を基に、GLP-1RAによる自殺念慮・自傷行為のリスクに関する調査を開始した。
GLP-1RAの使用が増加していることから、こうした副作用のリスクの有無を確認することは重要である。今回取り上げる研究では、プラセボ対照ランダム化比較試験(RCT)のシステマチックレビューとメタ解析により、糖尿病または肥満の成人患者におけるGLP-1RAの使用と自殺・自傷関連有害事象との関連性が評価された(JAMA Psychiatry 2025年3月19日オンライン版)。
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加藤 忠史(かとう ただふみ)
順天堂大学精神医学講座主任教授。1988年東京大学医学部卒業、同病院で臨床研修、1989年滋賀医大精神医科大学講座助手、1994年同大学で医学博士取得、1995年米・アイオワ大学精神科に留学(10カ月間)。帰国後、1997年東京大学精神神経科助手、1999年同講師、2001年理化学研究所脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チームリーダー、2019年理化学研究所脳神経科学研究センター副センター長を経て、2020年4月から現職。
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