ゲノムから迫る!アトピーと精神疾患の関係

メンデルランダム化解析

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研究の背景:アトピー性皮膚炎に合併する精神疾患は多岐にわたる

 アトピー性皮膚炎(AD)は代表的な慢性皮膚疾患であり、米国での有病率は小児で約10~15%、成人で約7~10%と推定される。また、最近の研究では中国において3~5歳の30.48%、1~7歳の12.94%、成人の6.13%が罹患していることが示されている。

 ADは精神的負担が大きく、精神状態に及ぼす影響は無視できない。また精神状態の悪化によりADが増悪することも知られる。ADに合併する精神疾患は不安障害、うつ病、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、自殺、双極性障害、強迫性障害、統合失調症など多岐にわたることが観察研究において報告されている。

 しかし、交絡因子や逆因果関係といった限界により、これらの因果関係は依然として不明である。そこで今回、メンデルランダム化(MR)解析を用いてADと精神疾患の関係を検討した論文を紹介したい(Acta Derm Venereol 2025; 105: adv43133)。

羽白 誠(はしろ まこと)

はしろクリニック院長。大阪大学大学院招聘教員

1986年大阪大学医学部卒業。1991年大阪大学大学院(皮膚科学)で博士課程修了。1994年箕面市立病院皮膚科医長、関西労災病院皮膚科医長、1999年大阪大学大学院非常勤講師、2001年国立大阪病院(現国立病院機構大阪医療センター)皮膚科部長、2004年大阪警察病院皮膚科部長、2008年神戸女学院大学人間科学部非常勤講師を経て、現職(大阪大学大学院招聘教員は2005年から)。

羽白 誠
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