<第4回>"不眠"を訴える高齢者をどのように診るか

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

症例:73歳男性
ある日,外来で「最近,眠れないので眠り薬をください」との希望があった。もともとはすし店を営んでいたが現在は長男へ譲り,店には出ていない。外出はほとんどしないという...

不眠は主観的な訴え,安易な睡眠導入薬の処方は慎む

 睡眠時間は加齢とともに生理的に減少することが知られています。あるデータでは65歳以上の睡眠時間は6時間とされていますが,筆者は特に80歳以上ではより短時間であるとの印象を持っています。睡眠の深さも高齢になるにつれて浅い睡眠相が増えるため熟眠感が減るようです。睡眠の連続性についても,年を重ねるごとに睡眠効率が低下し分断されます(Sleep 2004; 27: 1255-1273)。

木村琢磨先生

木村 琢磨(きむら・たくま)

北里大学医学部総合診療医学・地域総合医療学准教授,北里大学東病院 在宅・緩和支援センター長。

長野県生まれ。東邦大学医学部卒業,国立東京第二病院(現国立病院機構東京医療センター)で初期研修,国立病院東京医療センター総合診療科で後期研修,国立病院機構東埼玉病院総合診療科などを経て現職。

高齢者の臨床は「さまざまな症候・疾患への対応」「専門診療科への適切なコンサルテーション」「家族」「地域」を念頭に置く,「多職種との恊働」「継続性」を踏まえるなど総合診療医の持ち味を生かせる,やりがいのある領域であると考えています。本連載では,高齢者の臨床について横断的に考えていきたいと思っておりますので,先生方からの忌憚ないご意見をお待ちしております。

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