〔編集部から〕この連載では、医学部学士編入試験に挑戦した1人の受験生(元Medical Tribune社員)の体験を紹介しています。いったん社会に出てから医師を目指す思いを綴りながら、学士編入の実態に迫っていきます。 編入試験の受験期は1年中 勉強を始めて1年弱たった昨年(2019年)5月、最初の編入試験に臨みました。「チャンスを増やせばどこかに引っかかるかもしれない」と考え、文系出身でも受けられる国公立大学は全て受けることにしたので、本命の山口大学の試験が終わる昨年9月までに、全部で5校受験しました。 編入試験は大学ごとに日程がばらばらです。一番早い大学で5月ごろ一次試験を開始し、一番遅いところでは11、12月に実施します。もし全部の大学を受けるとすれば、春夏秋冬1年を通じて受験期になるということです。しかも、平日に試験が実施される場合も多いので、仕事を続けながら受験する人にとってはハードなスケジュールになります。 一方、一般受験と違って複数校受けられる点は大きなメリットです。多くの受験生が複数の大学を受けるため、「この人前受けた大学でも見かけたな」という感じで、なんとなく顔見知りの人が増えていきます。私が複数の大学で見かけ、とても印象に残っているのは、インドの民族衣装のような独特な服を着ていた男性と60歳代くらいの白髪の男性でした。こんなふうに多様な人が受験するのも編入試験ならではだなと思いました。