食道がんワクチン治療、臨床試験で見えてきた有効性は?

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研究の背景:2020年に複数の食道がんワクチン臨床試験結果が発表

 食道がん(特に扁平上皮がん)は、抗原性の高いがん腫とされており、抗PD-1抗体ニボルマブの治療効果が期待されていると同時に、腫瘍抗原を用いたがんワクチン治療も期待されている。注目されている腫瘍抗原としては、NY-EO-1、WT1、そして今回紹介する3種のペプチドカクテル(URLC10、CDCA1、KOC1)があるが、2020年に複数の食道がんワクチン治療臨床試験の結果が報告された。今回はその1つである「Phase II Adjuvant Cancer-specific Vaccine Therapy for Esophageal Cancer Patients Curatively Resected After Preoperative Therapy With Pathologically Positive Nodes; Possible Significance of Tumor Immune Microenvironment in its Clinical Effects」(Ann Surg 2020年8月26日オンライン版)を中心にレビューし、今後の食道がんワクチン治療の実用化の方向性を展望したいと思う。

島田 英昭(しまだ ひであき)

東邦大学大学院消化器外科学・臨床腫瘍学教授、同大学医療センター大森病院がんセンター長。

1984年千葉大学医学部卒業、1991年同大学大学院医学研究科博士課程(外科系)修了。同年に渡米し、マサチューセッツ総合病院、ハーバード大学外科研究員として従事。帰国後、千葉大学病院助手、同大学講師大学院医学研究院講師(先端応用外科学)、千葉県がんセンター消化器外科主任医長を経て、2009年より現職。現在は、東邦大学大学院消化器外科学講座責任者・臨床腫瘍学講座責任者や同大学大森病院特定臨床研究審査委員会委員長を併任。

日本胃癌学会ガイドライン作成委員会委員、日本食道学会会誌編集委員会副委員長などを務める他、日本外科学会代議員、 日本消化器外科学会評議員、日本癌学会評議員、日本臨床外科学会評議員、 日本免疫治療学会理事、日本分子腫瘍マーカー研究会副代表幹事、外科分子細胞治療研究会世話人・代表幹事など多数の学会の活動にも携わる。Ann Gastroenterol Surg誌、Esophagus、Gastric Cancer誌、Ann Thorac Cardiovasc Surg誌、Digestive Surgery誌、Surgery Today誌、J Hepatobiliary Pancreat Sci誌、Cancer Science誌、Int J Clin Oncol誌、Jpn J Clin Oncol誌のEditor & Associate editor、Medical Tribuneのがん専門特設ページ「Oncology Tribune」の総監修も務める。

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