糖尿病患者の血圧管理ガイドライン最新情報 今年発表の英GLを中心に、世界のGLを総まくり 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ガイドラインの背景:世界のガイドラインが修正されつつある 古くはUKPDS試験(Lancet 1998; 316: 823-828、Lancet 1998; 317: 703-713)のころから糖尿病患者における血圧管理の重要性は知られており、その後のACCORD試験やADVANCE試験においても、血糖管理試験(N Engl J Med 2008; 358: 2545-2559、N Engl J Med 2008; 358: 2560-2572)とともに血圧管理試験(N Engl J Med 2010; 362: 1575-1585、Lancet 2007; 370: 829-840)が行われている。 長らく、糖尿病患者における降圧目標は130/80mmHg未満であり、ファーストラインの降圧薬はレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬〔ACE阻害薬またはアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)〕とされてきており、実際、多くの臨床家がそうした治療方針を意識して診療していると思われる。 しかし、日本高血圧学会は『高血圧治療ガイドライン2019』において、メタ解析の結果(Hypertens Res 2019; 42: 669-680)から、微量アルブミン尿または蛋白尿がなければRAS阻害薬とともにCa拮抗薬、利尿薬もファーストラインに位置付けるであるとか、降圧薬の開始を140/90mmHgにするなどの変化を加えており、『高血圧治療ガイドライン2014』あるいは『高血圧治療ガイドライン2009』に比べて、さまざまな修正がなされている。 世界的に見ても、多くの臨床試験の報告を受けて、関連学会が高血圧ガイドラインに若干の修正を加え続けているのが現状であろう。中でも、最近のSGLT2阻害薬(関連記事「糖尿病薬の頂点に立つSGLT2阻害薬」)や、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)(関連記事「腎保護薬の主役をうかがうMR拮抗薬」)による腎臓保護の報告は、今後の各学会の高血圧ガイドラインに影響を与えそうである。 そのような中、今年(2022年)になって英国糖尿病医会(ABCD)と英国腎臓協会(UKKA)が合同ガイドライン(ABCD-UKKA ガイドライン)を発表し、その概要がKidney Int Rep(2022; 7: 681-687)に掲載された。日本の臨床現場においても参考になるかもしれないと思い、米国糖尿病学会(ADA)の最新のStandards of Medical Careにおける降圧薬の使い方のフローチャートと合わせ、その内容をご紹介したい。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×