医学・医療の歩みを54年にわたり報道し続けているMedical Tribune紙ですが、記事とともに重要な役割を果たしているのが広告です。特に新薬関係の広告は花形で、その時代時代の感覚に基づいたデザインで紙面を彩りました。いま見ると「レトロ」ですが、当時は「モダン」だったのです。 1986(昭和61)年10月16日発行のMedical Tribune紙は52ページ建て。発見からまだ4年で「現代のペスト」と恐れられていたエイズ治療の可能性、いまでは当たり前の経皮的手技による冠動脈形成術などがトピックとして取り上げられています。 ところでこの号、ページをめくっても、めくっても非ステロイド抗炎症薬(NSAID)の広告が目に飛び込んできます。6成分8商品に上りますが、うち6商品は現在も市場に残り、日常臨床で使われ続けています。ナパゲルン、フェルデン、バキソ、インテバン、セクター、ニフラン―自家薬籠中の物としている先生も多いのではないでしょうか。 36年前、新薬情報をしっかりと医師に伝達して、令和の時代まで橋渡しした昭和の広告に賛歌を送りたいと思います。 (「Medical Tribuneが報じた昭和・平成」企画班) 【NSAIDに関する最新ニュース】 アセトアミノフェンに2型糖尿病リスク 変形性関節症治療薬DF-HAの実力 NSAID、新型コロナを悪化させず