研究の背景:比較的歴史が浅い、射精後に体調不良を起こす疾患 実に不思議な疾患であるが、男性が射精後に体調不良を起こすPostorgasmic illness syndrome(POIS)という疾患が存在する。POISが初めて報告されたのは2002年で、比較的歴史が浅い疾患だが、最近になりようやくPOISに関する論文報告が散見されるようになってきた。 私は大学病院勤務時代にPOIS患者を1例も診たことがなかった。今回、なぜこの疾患を取り上げたかというと、現在、私が勤務しているクリニックのホームページでPOISを紹介したところ、約2年の間にその情報を見た43人もの患者が受診したからだ(オンライン診療を含む)。 つまり、疾患自体が知られていないだけで、実は潜在的に多くのPOIS患者がいることが予測される。今回は、このPOISに関する最新のレビュー論文を紹介したい。 Postorgasmic Illness Syndrome: An Update Review. Eur Urol Focus 2023; 9: 22-24.