心不全退院前の薬剤処方、EFでどう変わる?

J Am Coll Cardiol 2023; 81: 2131-2144

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背景

 心不全〔特に左室駆出率(EF)が落ちている心不全 (Heart Failure with Reduced Ejection Fraction:HFrEF)〕の慢性期治療はここ20年大きな展開を見せてきました。まず21世紀初頭にアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬Ⅱ(ARB)、β遮断薬、そしてミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)が長期的な予後を改善するということが大規模ランダム化試験によって判明し、さらに20年を経て、2019年にアンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬(ARNI)、そして2020年にSGLT2阻害薬が登場しました(ARNIはACE阻害薬やARBと交代で使われ、SGLT2阻害薬はさらに上乗せで使われます)。

 しかし、心不全の患者さんに2剤、3剤、4剤と薬剤を導入していくのは、かなり神経を使う作業です。特に急性心不全入院後、どのようにバランスを取って各薬剤を導入していくかということは大きな課題です。ここを解決するために実施された試験がその名もSTRONG-HF試験です(注:この試験では最も新しく認可されたSGLT2阻害薬のみ導入の対象とはしていません)。

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