「百害一利」の新専門医制度は勇気ある撤退を 

発足5年を機に「いっちょかみ」

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 新専門医制度が2018年にスタートしてから5年がたった。「高い専門性を持った良質の医療を国民に提供できる専門医の育成」という基本理念を掲げて発足した日本専門医機構は、今やその理念から逸脱し、迷走している。

 私が所属する整形外科は、当初から一貫して専門医機構に最も協力的な診療科であったため、ずっとおとなしくしていたが、「アウトサイダー」の本領を発揮して、この5年間を得意の「いっちょかみ」(一丁噛み:なんでも口を挟むという関西弁)してみる。

川口 浩(かわぐち ひろし)

1985年、東京大学医学部医学科卒業。同大学整形外科助手、講師を経て2004年に助教授(2007年から准教授)。2013年、JCHO東京新宿メディカルセンター脊椎脊髄センター・センター長。2019年、東京脳神経センター・整形外科脊椎外科部長。2023年、社会医療法人社団蛍水会 名戸ヶ谷病院・整形外科顧問。臨床の専門は脊椎外科、基礎研究の専門は骨・軟骨の分子生物学で、臨床応用を目指した先端研究に従事している。Peer-reviewed英文原著論文は340編以上(総計impact factor=2,032:2023年7月現在)。2009年、米国整形外科学会(AAOS)の最高賞Kappa Delta Awardをアジアで初めて受賞。2011年、米国骨代謝学会(ASBMR)のトランスレーショナルリサーチ最高賞Lawrence G. Raisz Award受賞。座右の銘は「寄らば大樹の陰」「長いものには巻かれろ」。したがって、日本の整形外科の「大樹」も「長いもの」も、公正で厳然としたものであることを願っている。

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