HPVワクチンは大人が接種しても効果ある?

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研究の背景:日本国内でもHPVワクチン定期接種が再開される中、ワクチンを打っていない人たちに打つべきなのか?

 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種に関しては、日本国内でワクチンの副作用が社会問題となり、2013年に開始した定期接種が直後に中止となってしまった。しかしその後、HPVワクチンの安全性について有効性が副反応のリスクを上回ると判断され、昨年(2022年)、小学6年生から高校1年生の女子に対してワクチン接種の積極的勧奨が再開された。

 HPVワクチン接種の積極的な勧奨が中止されたことにより、接種できなかった人に対し現在、キャッチアップ接種が実施されている。そこで疑問となるのは、基本的にワクチンは「HPVの感染を予防するもの」であり、「感染してしまったHPVを治療するものではない」ことである。そのため、性的接触をする前の若年世代のうちにHPVワクチンを接種する必要があるが、一体何歳までワクチンを打つ価値があるのだろうか。それを調べたのが今回取り上げる論文である。

Maldonado I, et al. Effectiveness, immunogenicity, and safety of the quadrivalent HPV vaccine in women and men aged 27-45 years. Hum Vaccin Immunother 2022; 18: 2078626.

                            

小堀 善友 (こぼり よしとも)

プライベートケアクリニック東京 東京院院長。2001年、金沢大学医学部卒業。金沢大学泌尿器科、米・イリノイ大学シカゴ校泌尿器科、獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科准教授を経て、2021年より現職。日本泌尿器科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、日本性機能学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性科学会セックス・セラピスト。著書に『オトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『今日の診断指針第8版「男子性発育の異常」』(医学書院)など。

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