JAMA解説:高血圧の治療レビュー

付けたり:パリの巨大な知の文化体系、オペラ座のトゥーランドット、ノルマンジー、Guerandeの塩、テロ警戒、パリのラーメン屋、ベルサイユ、柴犬、西伊豆でルームランナー、パリの岩倉使節団、フランスの高等教育

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 トップジャーナルで高血圧の最近の総説はN Engl J Med(2018 Feb 15; 378: 636-644)にありました。関連リンク1にまとめてあります。

 小生先週、1年前のJAMA2022 Nov.8; 328: 1849-1861)に高血圧治療の総説があったのに気が付きました。

 この数年で高血圧治療にどんな進歩があったのか興味津々でJAMAを読みました。一番驚き、また「やっぱり」と思ったのはカリウム摂取の推奨です。これ以外にはこの数年でそれほど新しい進歩はありません

 長文ですので時間のない方は下記、最重要点の怒濤の反復をしてください。興味のある所だけ読めば結構です。

 JAMA(2022 Nov.8; 328: 1849-1861)高血圧の治療(A Review)最重要点は下記9点です。

  1. 高血圧は低Na+高K食を。ポタシウムスイッチはNaとK保持するが高K(野菜果物)でoffに
  2. 地中海食(K・線維↑):果物、野菜、低脂肪乳製品、玄米、全粒粉、鶏肉、魚、ナッツ、豆、オリーブ油、赤ワイン
  3. 減量1kgごとSBP 1mmHg低下。有酸素運動を週150分程度、抵抗運動も降圧に有効
  4. アルコールと高血圧は用量依存的関係。男≦2 drinks(ビール700mL)、女≦1drink(350mL)に
  5. 目標血圧は年齢、DM、CKDにかかわらず65歳未満<130/80、65歳以上<130/? 。今後10年の心血管リスク予測:ASCVD Risk Estimator +
  6. 治療で死亡率減:女/男で高血圧7.3/3.8%、 高脂血症0.1/2.0、糖尿4.1/1.7、禁煙4.4/5.1、肥満1.7/2.6
  7. 第一選択はサイアザイド系、ACE阻害薬、ARB、Ca拮抗薬(HFrEFで不可)4種。β遮断薬は心疾患時のみ
  8. 抵抗性高血圧は3剤でも高い時。二次性否定しアルダクトン、セララ→β遮断薬、α1遮断薬追加
  9. 高血圧治療に安全な住居、食事、歩行可能な散歩道、公園、自転車レーンは重要!

 高血圧の定義は収縮期血圧130mmHg、拡張期血圧80mmHg以上が持続すること、または既に降圧薬を内服している時をいいます。

仲田 和正(なかだ かずまさ)

仲田氏

 西伊豆健育会病院病院長。1978年に自治医科大学卒業、静岡県立中央病院(現静岡県立総合病院)全科ローテート研修、1980年に浜松医科大学麻酔科研修(4~9月)、静岡県国民健康保険佐久間病院外科・整形外科。1984年に自治医科大学整形外科、大学院、1988年に静岡県島田市民病院整形外科、1991年に静岡県西伊豆病院整形外科。

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