脂漏性皮膚炎アンメットニーズ、治療法は?

PDE4阻害薬が有用か

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研究の背景:症状は発症部位や年齢でさまざま

 脂漏性皮膚炎は一般的な皮膚疾患の1つであり、発症部位や年齢によってさまざまな症状を呈する。脂腺が発達している部分に生じやすく、顔面、頭皮、胸部、背部、鼠径部が多い。発症率は全人口の5%と推測されるが、その倍とする報告もある。これは、脂漏性皮膚炎の世界的に統一された診断基準がないことが原因と考えられる。

 発症年齢は生後3カ月未満、思春期~成人、51歳以上と大きく3つに分けられる。発症には皮膚表層に常在するマラセチアという真菌と皮脂が関与しているとされる。また、抗インターロイキン(IL)-4/13受容体抗体デュピルマブで長期間治療をしたアトピー性皮膚炎患者の顔面に類似の発疹が見られる他、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防のためにマスクを長期に着用した人でも発症が見られる。一方、既存治療では効果や副作用の面で制限があるなどアンメットニーズも存在する。そこで今回、脂漏性皮膚炎の新しい情報を中心に57編の論文を基にした総説を紹介する( J Am Acad Dermatol 2024; 90: 597-604)。

羽白 誠(はしろ まこと)

はしろクリニック院長。大阪大学大学院招聘教員。1986年大阪大学医学部卒業。1991年大阪大学大学院(皮膚科学)で博士課程修了。1994年箕面市立病院皮膚科医長、関西労災病院皮膚科医長、1999年大阪大学大学院非常勤講師、2001年国立大阪病院(現国立病院機構大阪医療センター)皮膚科部長、2004年大阪警察病院皮膚科部長、2008年神戸女学院大学人間科学部非常勤講師を経て、現職(大阪大学大学院招聘教員は2005年から)。

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