消化器外科、敬遠される理由と魅力は表裏一体

　日本消化器外科学会は今年（2024年）4月、「地域における消化器外科の診療体制維持のために必要な待遇改善（インセンティブの導入など）について、ご理解と後押しをお願いします」と題する国民向けの声明を発表。厚生労働省が発表する主たる診療科別に見た医療施設に従事する医師数の推移に関し、2002～22年に医師総数が増加しているにもかかわらず消化器外科と一般外科は減少しており、減少幅も2割超と大きかった点に懸念を示した。Medical Tribuneウェブの外科系医師会員を対象に行った調査では、消化器外科医減少の理由として、緊急対応による過重労働と報酬の不均衡などを指摘する声が目立った。しかしその一方で、消化器外科医では4割超が魅力として「高度な手術に携われる」を挙げ、6割超が診療科を選び直すとしても消化器外科を「選ぶ」と回答しており、敬遠理由と魅力が表裏一体となっている実情が示された。