フィネレノン、アジア人集団でもCKDの進行抑制示す

バイエル薬品

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 バイエル薬品は昨日(4月8日)、非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬フィネレノン(商品名ケレンディア)について、第Ⅲ相臨床試験FIDELIO-DKDおよびFIGARO-DKDの事前に規定された統合解析FIDELITYにおいて日本人を含むアジア人集団で腎障害の指標を改善させ慢性腎臓病(CKD)の進行を抑制し、良好な安全性プロファイルを示したと発表した。結果の詳細は、国際糖尿病学会(IDF 2025)で報告された(関連記事「MR拮抗薬、心血管既往関係なく有効」、「フィネレノン、日本の実臨床でも有望」)。

 今回の解析対象は、アジア10カ国・地域で登録した2,858例。解析の結果、4カ月目から投与中止または試験終了までの推算糸球体濾過量(eGFRスロープ)は、ベースラインの尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)にかかわらず、プラセボ群と比べフィネレノン群で改善した-3.673mL/分/1.73m2 vs. -2.598mL/分/1.73m2群間差1.08mL/分/1.73m2、95%CI 0.53~1.63mL/分/1.73m2)。UACR値の減少や退縮は、ベースラインのeGFR値、SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬併用の有無にかかわらず認められた。また、微量アルブミン尿(UACR 30mg/g以上300mg/g未満)から正常アルブミン尿(同30mg/g未満)に退縮した割合は、プラセボ群の14.8%に対しフィネレノン群では39.5%と有意に多かった(ハザード比3.04、95%CI 2.21~4.18)。

 安全性の解析(対象2,854例)では、有害事象の発現頻度はベースラインのeGFR値にかかわらず両群で同程度だった。eGFR高値集団(60mL/分/1.73m2以上)と比べ、低値集団(60mL/分/1.73m2未満)では高カリウム血症(フィネレノン群:14.7%、23.2% vs. プラセボ群:9.6%、14.7%)、急性腎障害(同1.4%、2.5% vs. 2.7%、3.6%)が多かったものの、入院や投与中止に至った頻度は両群とも低く、安全性プロファイルは全体として管理可能と考えられた。

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