サノフィは昨日(6月30日)、腸チフス Vi 多糖体ワクチン(商品名タイフィム ブイアイ 注シリンジ)を発売したと発表した。同薬は、腸チフス予防を目的とした国内初のワクチンで、昨年(2024年)6月に製造販売承認を取得している。 腸チフスは、チフス菌(Salmonella Typhi)によって引き起こされる急性熱性疾患で、重症化すると死に至ることもある。国内では年間20~30例の症例が報告されており、そのうち約70~90%が南アジアや東南アジアなど、衛生環境が十分でない地域からの輸入事例とされる。治療には主に抗菌薬が用いられるが、近年では多剤耐性菌の増加による治療の複雑化が課題となっている。