ベーリンガーインゲルハイムは8月15日までに、経口選択的HER2チロシンキナーゼ阻害薬zongertinib(開発コードBI 1810631)について、米食品医薬品局(FDA)から治療歴のあるHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の進行性非小細胞肺がん(NSCLC)治療薬として迅速承認を取得したと発表した。同薬はFDAから優先審査およびブレークスルーセラピーの指定を受けていた。この適応において、初の経口標的治療薬となる見込み。 今回の迅速承認は第Ib相Beamion-LUNG1試験に基づくもの。同試験では、客観的奏効率が75%(71例、完全奏効6%、部分奏効69%)、奏効期間6カ月以上は53例(58%)という良好な成績を示した。結果は今年(2025年)の米国がん学会(AACR 2025)で発表され、N Engl J Med(2025; 392: 2321-2333)に同時掲載された(関連記事「Zongertinib、HER2遺伝子変異陽性肺がんに対する第Ⅰb相で良好な結果」)。