参天製薬は昨日(8月25日)、FP受容体およびEP3受容体に作用する二環式プロスタグランジン誘導体セペタプロスト(商品名セタネオ点眼液0.002%)について、緑内障・高眼圧症治療薬として製造販売承認を取得したと発表した。(関連記事「新機序の緑内障・高眼圧症治療薬セペタプロストが承認申請」) 同薬は小野薬品工業が創製したセペタプロストを0.002%含有しており、点眼後は主に角膜中で速やかに加水分解され、FP受容体およびEP3受容体に結合し、刺激することで房水流出を促進させて眼圧下降に作用すると考えられている。 有効性については、国内第Ⅲ相検証試験において、セペタプロストの1日1回点眼は緑内障治療の第一選択薬である0.005%ラタノプロスト点眼液(1日1回点眼)に対する眼圧下降効果の非劣性が示された。また国内第Ⅲ相長期投与試験では、1日1回点眼による同薬の1年に渡る眼圧コントロールが得られた。安全性においては、重大な副作用として虹彩色素沈着0.3%が報告された。発現率5%以上の主な副作用は、結膜充血、睫毛の異常、眼瞼部多毛だった。 日本緑内障学会が策定した『緑内障診療ガイドライン(第5版)』では、薬物療法において、眼圧下降点眼薬の単剤(単薬)療法から開始し、有効性が確認されない場合は他剤に変更し、有効性不十分であれば多剤併用(配合点眼薬を含む)を行うこととされている。ただし、薬剤選択に際しては治療抵抗性患者や投与禁忌患者の存在、副作用の発現などに留意を要する記載。多剤併用療法においては、点眼回数の増加に伴う副作用の増加、アドヒアランスやQOLの低下につながる可能性にも配慮が求められるとしている。 これらのことから、新たな作用機序による強力な眼圧下降作用を有する眼圧下降薬の登場が望まれていた。