梅毒はいかに治療すべきか?

古くて新しい問題

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

(© Adobe Stock ※画像はイメージです)

研究の背景:HIV感染を伴う梅毒、供給不安定なBPGの3回筋注は妥当か?

 早期潜伏梅毒(第1期、第2期)の標準的な治療戦略はベンジルペニシリンベンザチン(ベンザチンペニシリンG:BPG)240万単位の単回筋注である。が、1950年代前半から存在するこの古い治療はエビデンスが乏しい。特にHIV感染を伴う場合、本当にこれでよいのかという懸念が残る。そこで、多くの臨床医は晩期潜伏梅毒に対する1週ごとに「3回」の筋注治療を行ってきた。とはいえ、全世界的に梅毒は増えている。BPGの供給は不安定だ。よって、費用効果の高い治療法を優先するのは当然である。

 というわけで、今回は、この古いプラクティスの効果を検証すべく実施された臨床試験を紹介する。

Hook EW, et al. One Dose versus Three Doses of Benzathine Penicillin G in Early Syphilis. N Engl J Med 2025; 393: 869-878.

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