MSDは昨日(11月11日)までに、21価肺炎球菌結合型ワクチン(商品名キャップバックス)について、18歳以上の米国成人を対象に同ワクチンに含まれる肺炎球菌血清型の疫学と薬剤耐性(AMR)を検討した研究を用いたシステマチックレビューの結果を発表した。(関連記事「21価肺炎球菌結合型ワクチン『キャップバックス筋注』が承認」) 解析に用いたのは、2015~25年に公表された15件の論文と米疾病予防管理センター(CDC)のActive Bacterial Core(ABC)サーベイランスからの報告書。キャップバックスに含まれていて20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)には含まれていない血清型(キャップバックス固有の血清型:9N、15A、15C、16F、17F、20A、23A、23B、24F、31、35B)に関連する肺炎球菌感染症の血清型特異的な疾病負担を、PCV20に含まれていてキャップバックスには含まれていない血清型(PCV20固有の血清型:1、4、5、6B、9V、14、18C、19F、23F)と比較した。 その結果、米国成人においてキャップバックス固有の血清型はPCV20固有の血清型より高頻度で検出されることが示された。また、2009~17年に入院した成人において、キャップバックス固有の血清型の7種類、PCV20固有の血清型の1種類でAMRが報告された。 同社のPaula Annunziato氏は「肺炎球菌感染症の負担に対応するためには、肺炎球菌血清型の有病率とAMRを理解することが重要」としている。 なお、結果は米国感染症学会(IDWeek 2025、10月19~22日)で発表された。