この10年を振り返ると、糖尿病領域では幾つかの新薬が市場導入されたのに加え、病態や保護すべき臓器に応じた薬剤選択のヒントとなる多くのエビデンスが蓄積され、ガイドラインにも影響を与えている。日本最大級の診療データベースを保有するメディカル・データ・ビジョン(MDV)の協力の下、糖尿病治療薬の処方実態を調査したところ、長く使い続けられている薬剤がある一方、最新エビデンスを踏まえて薬剤を使い分ける志向も示唆され、「不易流行」ともいうべき状況が見られた。