【私が選んだ医学2025年の3大ニュース】 1.再生医療の発展と医療格差是正への期待 2025年のノーベル生理学・医学賞受賞者の1人は、制御性T細胞(Treg)を発見した坂口志文氏だ。このTregをChimeric antigen receptor T (CAR-T)療法と組み合わせたCAR-Treg療法につき、難治性自己免疫疾患の治験が大詰めを迎えている。特に「有効性が高く有害性が比較的低いのでは」と注目されているのがCD-19をターゲットとしたCAR-Treg療法だ。もちろん新技術に安易に飛びつくことは危険だが、この治療の有効性が示されれば、ステロイド大量療法からの離脱が困難であった多臓器不全を来す難治性自己免疫疾患への光明となるだろう。 しかし一方で、再生医療と銘打った怪しげな細胞治療や点滴療法に乗せられる患者も後を絶たない。この現状を受け、2025年3月19日、日本再生医療学会は「YOKOHAMA宣言」を採択した。この宣言は、最先端の再生医療分野における研究の重要性について言及する一方で、再生医療の質の担保や倫理的な課題についても学会が積極的に関わる姿勢を明らかにしている。また日々高価格化する医療に対し、自由診療を活用したエビデンスの確立に言及している点も興味深い。医療の質と医療資源配分の均霑化の両者を担保した再生医療が臨床導入されることも期待される。