2025年3大ニュース&2026年医学はこうなる

【2026年医学はこうなる】柳 靖雄

横浜市立大学視覚再生外科学客員教授

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【私が選んだ医学2025年の3大ニュース】

1.日本初の地図状萎縮治療薬の承認

 長らく「治療がない」とされてきた地図状萎縮(GA)を伴う萎縮型加齢黄斑変性(GA secondary to age related macular degeneration;AMD)に対し、アバシンカプタド ペゴル(商品名アイザベイ)の条件付き承認が2025年に報じられた。これは、網膜分野における大きな転換点を予感させるものとなった(関連記事「加齢黄斑変性治療薬アイザベイ、条件付き承認取得」)。日本で初めてのGA治療薬であり、「GAには治療がない」という前提が覆される

 日本ではポリープ状脈絡膜血管症(polypoidal choroidal vasculopathy;PCV)など新生血管型AMDの印象が強いものの、GAは高齢のAMD患者の一定割合を占め、病変拡大によりじわじわと視機能を奪い、介護負担やQOL低下を通じた社会的なインパクトは決して小さくない。

 アバシンカプタド ペゴルは補体C5を標的とし、病変拡大速度を抑制することで視機能低下の進行を遅らせる効果が期待されており、「止めることができない萎縮」を少しでもコントロールするという発想自体が、患者にとって大きな心理的支えとなる。対象患者数が相対的に少なくても、この治療薬の登場がGAへの関心を高め、日本での疫学研究や画像解析を活性化させ、結果として萎縮型AMD患者全体、日本の眼科医療への「新しい福音」となっていく可能性が高いと評価している。

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