ノバルティスは本日(12月15日)までに、運動神経細胞生存遺伝子1(SMN1)に変異が確認された2歳以上の小児、成人の脊髄性筋萎縮症(SMA)を対象とする治療薬のオナセムノゲン アベパルボベク(商品名ゾルゲンスマ)髄腔内投与が米食品医薬品局(FDA)の承認を取得したと発表した。同薬の髄腔内投与は、幅広い年齢層のSMA患者に使用可能な初の遺伝子補充療法となる。(関連記事「ゾルゲンスマ、高薬価ばかりに注目しないで」) SMAは、SMN1遺伝子の変異または欠失によって引き起こされる稀少な遺伝性神経筋疾患。SMN1遺伝子は呼吸、嚥下、基本的な動作などの筋機能のために身体が必要とするSMN蛋白のほとんどの産生に関与しており、欠損すると運動ニューロンの不可逆的な喪失を引き起こし、進行性で重度の筋力低下を引き起こす。同薬は、単回投与によりヒトSMN1遺伝子の機能を補充し、SMN蛋白質の持続的発現を通じて運動機能を改善することで、SMAの遺伝学的な根本原因に対処するよう設計されている。 今回の承認は、第Ⅲ相STEER試験のデータに基づくもので、非盲検の第Ⅲb相STRENGTH試験の結果によって裏付けられた。