編集部・比企野綾子の一押し記事 「【速報】結果発表!2025年度臨床研修マッチング」 2025年10月23日掲載 昨年(2024 年)に引き続き、今年も臨床研修マッチングの速報記事を配信したが、近しい知り合いがエントリーしていた今年は、昨年とは違った緊張感を持って最終結果が開示される10月23日14時を迎えた。 今年、マッチングに参加した医学生は約9,900 人。全体のマッチ率は92.3%で、第1希望でのマッチが約60%、第2希望が約17%、第3希望が10%弱と、全体の9割近くを占めた。 このように見ると、ほとんどの医学生がエントリーしたいずれかのプログラムにマッチでき、しかも8割近くは上位希望に収まっているわけだが、この「ほとんど」というのがくせ者である。ほとんどが上位希望のプログラムにマッチできるのだから、多くの医学生は自分も「ほとんどの側」に入れるのではないかと期待する。その高い期待値の中で、「非・ほとんどの側」に回ったときの不安や焦りはいかばかりか。そのように考えてしまうのは、知り合いがいた今年だからかもしれないが、記事を書きながら胸がざわついた。 Medical Tribuneウェブに、「初期研修リアル体験記」という特集がある。同企画では、若手医師に自身の研修医時代の体験を通して得た学びや感じた思いなど生の声をリレーエッセー形式で発信していただき、読者の先生方にお届けしている。 その中で、ある医師が、「初期研修医生活はたった2年。どのような環境下でも、大事なのは自分がどう動くか、何を学び取るかだ。研修医生活は、自分次第でいくらでも有意義にできる」とつづってくださった。この言葉が、臨床研修マッチングがうまくいかなかった「非・ほとんどの側」の先生方にも届いてほしいと願っている。 春から、それぞれの病院で医師としての第一歩を踏み出す先生方は、そこから医師という花を咲かせていくのだろう。いつかMedical Tribuneでその花がどのような景色をつくったか、伺えればと願っている。