【私が選んだ医学2025年の3大ニュース】 1. 人工知能(AI)によるカルテ代行(ambient scribe)、「便利そう」から医療効果の検証段階へ 2025年は、診察室での会話を記録・解析し、医師が最終確認を行うだけでカルテ記載を完了できるAI(診療記録自動生成AI)が、単なるデモンストレーションの段階を離れ、臨床研究の対象として本格的に扱われる年となった。診療記録自動生成AIをめぐっては、Nuance Communications社が提供する「DAX(Dragon Ambient eXperience Copilot)」とNabla Technologies社の「Nabla」を比較したランダム化比較試験(RCT)では、実地における医師のカルテ記載の負担やバーンアウト(業務負担の蓄積による疲弊)指標への影響を検証しており、記載時間の短縮効果や、手直しの増加、情報の欠落、責任分界(AIと人の責任所在の明確化)といった運用上の課題について、データに基づいて議論できる土台が整ったことの意義は大きい。さらに、こうした評価と並行し、製品面ではNuance Communications社を傘下に持つMicrosoft社がDAXを "統合型音声AI臨床アシスタント"として再定義・再位置付けした「DAX Copilot」を発表・展開し、現場での導入が加速した。