〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。2025年12月21日~26年1月4日の2週間に公開された論文からフォーカスしたのは「心房細動例の生命予後」に関する論文。その他のピックアップ論文は、末尾をご覧ください。 心房細動例の死因は多様 日本における心房細動(AF)患者数は、2009年時点で72万例弱と推計され、2030年には100万例を超えると考えられている(Int J Cardiol 2009; 137: 102-107)。国民の100人に1人がAFという計算だ。高齢者に限れば、頻度はさらに上がるだろう。 事実、わが国の地域悉皆的AF疫学調査である伏見AFレジストリでは、2014年の時点で既に、AF有病率は70歳代ならば6.0%、80歳以上では7.6%と推計されている(日内会誌 2019; 108: 196-0203)。 このように「コモンディジーズ」となりつつあるAFだが、予後については脳卒中リスクばかりがことさらに注目されがちである。しかし、わが国における「脳卒中」による死亡は決して多くない。伏見AFレジストリでは、AF例全死亡の約7%を占めるのみだった。 心血管(CV)死亡の最大死因は「心不全死」である。とはいえ、全死亡に占める割合はおよそ16%にすぎない。AF例の最多死因は「悪性腫瘍」と「感染症」である(年齢層により変化、Eur Heart J Qual Care Clin Outcomes 2019; 5: 35-42)。 では、このような多様な死因からなるAF例の「全死亡」を、どうすれば減らせるのか―。意外かもしれないが、「生活習慣改善プラスα」で著減する可能性が示唆された。 英・Liverpool John Moores UniversityのCharlotte J. Fitzhugh氏らが2025年12月29日、Am J Prev Cardiolで報告した。 AF例の生命予後を決めるのは、「かかりつけドクター」による管理の成否なのかもしれない。