研究の背景:日本人2型糖尿病の半数以上が非肥満の非インスリン依存型 昨年(2025年)11月に、4pillarsについてご紹介した(関連記事「糖尿病関連腎臓病への「4本柱」併用の是非は?」)。糖尿病関連腎臓病(DKD)の治療にはSGLT2阻害薬(SGLT2i)、GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)、レニン・アンジオテンシン系阻害薬(RASi)の併用が重要という内容であった。この中で、糖尿病そのものの治療薬でもあるのがSGLT2iとGLP-1RAであり、両薬剤の糖尿病治療における立ち位置が極めて重いものとなっていることはご存じの通りである(Diabetes Care 2022; 45: 2753-2786)。 ただ、わが国では、国際糖尿病連合(IDF)が「5型糖尿病」と呼称し始めたところの(Lancet Diabetes Endocrinol 2025; 13: 820-822)、重症インスリン欠乏糖尿病(SIDD; severe insulin deficient diabetes)、軽症年齢関連糖尿病(MARD;mild age-related diabetes)といった、非肥満の非インスリン依存型糖尿病が2型糖尿病の半数以上を占めている(関連記事「2型糖尿病は4つの病型に分類できる?!」)。こうした病態に対して、両薬剤の投与がフレイルをもたらさないかについては、多くの糖尿病医が関心があるところであろう(Lancet Diabetes Endocrinol 2025; 13: 362-364、Lancet Diabetes Endocrinol 2025; 13: 370-371)。 このたび、米国の医療保険Medicare加入者のランダム抽出データを後ろ向きに解析して、両薬剤のフレイル発症に与える影響をDPP-4阻害薬(DPP-4i)やスルホニル尿素(SU)薬と比較した論文が、米国糖尿病学会(ADA)の機関誌に掲載された(Diabetes Care 2026; 49: 147-151)。観察研究ではあるが、おおむね安心できる内容であったことをご紹介しつつ、GLP-1RAやSGLT2iがもたらすメリットを日本で多くの患者に(痩せている患者にも)享受してもらうためのご提案をさせていただきたい。