【研究の背景】抗菌薬アレルギーの誤診は耐性菌出現の遠因 日常診療において、抗菌薬使用時に過敏反応が出たことのある患者に遭遇する機会は少なくない。抗菌薬使用時に過敏反応が出た場合、Ⅰ型アレルギー反応による抗菌薬アレルギーと判断するケースが多いと考えるが、実際には真の抗菌薬によるⅠ型アレルギー反応は、そのうち5~10%程度にすぎないと報告されている。 誤った抗菌薬アレルギーの診断は、必要な抗菌薬の回避による不適切な抗菌薬療法や不必要な広域スペクトル抗菌薬の使用を引き起こし、現在世界中で大きな問題となっている抗菌薬耐性菌の出現につながる可能性がある(関連記事「不正確なカルテ記載で耐性菌感染症が増加」)。今回は、欧州臨床微生物学・感染症学会(ESCMID)が抗菌薬の適正使用促進を目的として、抗菌薬アレルギー患者に対する安全性の高い抗菌薬の使用を支援するために公開した診療ガイドライン(GL)を紹介したい(Clin Microbiol Infect 2026年2月16日オンライン版)。