〔編集部から〕本連載は、主要医学ジャーナルに目を通すことを毎朝の日課としている医学レポーターが、SNS上での反響も踏まえ、毎週特に目を引いた論文5本をピックアップ。うち1本にフォーカスします。今回は3月30日~4月5日に公開された論文からフォーカスしたのは「糖尿病治療薬の感染症抑制効果」に関する論文。その他のピックアップ論文は、末尾をご覧ください。 糖尿病例では感染症の「予防」と「増悪抑制」が重要 糖尿病治療の目標は「糖尿病がない人と変わらない生活の質(quality of life;QOL) と寿命を実現すること」とされる(『糖尿病診療ガイドライン2024』)。では糖尿病例の「寿命」はどのような疾患に影響されているのか。 日本糖尿病学会が実施したアンケートによれば、わが国糖尿病例における最大死因は「悪性腫瘍」(39%)。そして「感染症」(17%)が続いた(糖尿病 2024; 67: 106-128)。 留意すべきは、これらによる死亡が「血管障害」(慢性腎不全・虚血性心疾患・脳血管障害」(11%)という、糖尿病合併症として広く認識されてきた疾患よりも多いという点である。 加えて、糖尿病例の「全死亡」に占める「感染症」の割合は、非糖尿病例よりも有意に高かった。つまり糖尿病例にとって「感染症」は、非糖尿病例以上に大きな死亡リスクと考えられる。 さらに、糖尿病例における感染症の「発症」リスクは、非糖尿病例に比べ1.5~4倍も高い(Diabetologia 2024; 67: 1168-1180)。 糖尿病例では非糖尿病例以上に、感染症の「予防」と「増悪抑制」が重要なようである。 そのような観点から興味深い報告が3月31日、JAMA Netw Openに掲載された。「GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)が重症感染症を抑制する可能性」を示唆するメタ解析である。中国医薬大学のKaijie Yang氏らが報告した。 GIP/GLP-1受容体作動薬(GIP/GLP-1RA)と感染症をめぐる近時データも含め、紹介したい。