第8回:患者が死を恐れる理由を探る

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 全ての人間にとって確実なことは、いつか必ず「死」を迎えるということである。しかし、誰もが避けることができないにもかかわらず、「死」についての話題は現代社会において避けられる傾向がある。一方で生命を脅かすような疾患を患うと、患者は自らの死と向き合わざるをえなくなり、やがて死について考えるようになる。そのため、医療者との対話の中で「死ぬのが恐い」「死んだらどうなるんでしょう?」といった胸中を打ち明けることがある。医療者は日常的に患者の死と向き合う必要があるが、医学教育において「死」についてどう考えるかというような講義を受けることはまれだろうから、死の話題について患者とどう対話したらよいのか、戸惑うことも多いのではないだろうか。

清水 研(しみず けん)

がん研究会有明病院 腫瘍精神科 部長

1971年生まれ。精神科医・医学博士。金沢大学卒業後、都立荏原病院(現・東京都保健医療公社荏原病院)での内科研修、国立精神・神経センター(現・国立精神・神経医療研究センター)、都立豊島病院(現・東京都保健医療公社豊島病院)での一般精神科研修を経て、2003年、国立がんセンター(現・国立がん研究センター)東病院精神腫瘍科レジデント。以降、一貫してがん患者および家族の診療・ケアを担当している。2006年、同センター中央病院精神腫瘍科勤務。同科科長を経て、2020年4月より現職。日本総合病院精神医学会専門医・指導医。日本精神神経学会専門医・指導医。日本サイコオンコロジー学会登録精神腫瘍医。近著に『がんで不安なあなたに読んでほしい。 自分らしく生きるためのQ&A』(ビジネス社)、『もしも一年後、この世にいないとしたら。』(文響社)。

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