ここ数年、60歳以上が対象の高齢者向けRSウイルス(RSV)ワクチンに関する第Ⅲ相試験の報告と国内外での承認申請が相次いでいる。こうした動きについて、RSV感染症を20年以上研究している坂総合病院(宮城県)副院長の髙橋洋氏は「高齢化社会においては死亡者の減少だけでなく、感染を契機とした日常生活動作(ADL)の低下を防ぐという点でもRSVなどの気道病原性ウイルスに対するワクチンは効果が期待できる」と指摘する。高齢者におけるRSV予防と実態把握の重要性や、臨床試験の結果からうかがわれる各ワクチンの有効性に寄せる期待などについて聞いた。