「うどんやな。うどん」 午前の診察を終えて、男子病棟に行くと看護詰め所の前でAさんが私を待っている。小銭の入った財布を看護師が渡し、行っといでと声をかける。私はAさんと病棟を出て、病院の裏口のドアを開け、町のうどん屋に向かう。