関節リウマチGL改訂、JAK阻害薬の推奨は? 関節リウマチ(RA)治療のアンカードラッグはメトトレキサート(MTX)だが、MTXで効果不十分な患者に対しては生物学的製剤(bDMARD)またはJAK阻害薬の使用が検討される。日本リウマチ学会は今年(2024年)5月、『関節リウマチ診療ガイドライン2024改訂』(以下、改訂GL2024)を刊行し、JAK阻害薬の推奨を更新。第68回日本リウマチ学会(4月18〜20日)で京都大学大学院内科学講座臨床免疫学教授の森信暁雄氏が、主な改訂ポイントを解説した。... 関節リウマチ診療GL、薬物治療を中心に改訂 日本リウマチ学会は今年(2024年)4月、『関節リウマチ診療ガイドライン2024改訂』(以下、改訂GL2024)を刊行した。ガイドライン統括委員会委員として改訂GL2024の作成にあたった京都府立医科大学大学院免疫内科学病院教授の川人豊氏が、第68回日本リウマチ学会(4月18〜20日)で主な改訂ポイントを解説。改訂の背景や、薬物治療の選択肢として新たに加わったメトトレキサート(MTX)皮下注射製剤の推奨などについて紹介した。... 治療抵抗性リウマチ、薬剤切り替えの妙手 関節リウマチ(RA)治療では、さまざまな治療を行っても疾患活動性の低下や寛解に至らない治療抵抗性関節RA(Difficult to treat RA;D2TRA)が一定数存在する。産業医科大学分子標的治療内科学講座准教授の久保智史氏は第68回日本リウマチ学会(4月18~20日)で、D2TRAの早期診断の可能性や危険因子、治療薬選択のポイントを解説。「D2TRAは分子標的薬の開始前から既に痛みや機能障害の程度が高い可能性がある。治療ではJAK阻害薬に一定の効果が期待できる他、作用機序の異なる治療薬への変更で有効性が期待できる」と呼びかけた。... 高齢発症リウマチ、治療ステートメントを公表 関節リウマチ(RA)の薬物治療は、メトトレキサート(MTX)や生物学的製剤(bDMARD)の普及により飛躍的に向上し、早期に徹底した抗炎症治療を行うことで、関節破壊の進行が抑制できるようになった。一方、高齢化の進展に伴い高齢発症関節RA(LORA)患者の増加が指摘されているが、薬物治療のエビデンスは不足している。そこで、LORA患者における治療戦略の確立を目的としたレジストリ研究(Late-Onset Rheumatoid Arthritis Registry Study;LORIS)が2021年に始動し、今年(2024年)2月には同研究に基づくコンセンサスステートメントが発表された。... 2024年開催学会レポート一覧に戻る