GLP-1受容体作動薬が使用可能となるなど、近年、肥満治療は変化しつつあります。非糖尿病の日本人肥満患者に対するGIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドの有効性と安全性を検討したSURMOUNT-J試験を取り上げるとともに、『減量・代謝改善手術のための包括的な肥満症治療ガイドライン2024』に掲載された高齢者に対する外科的治療の最新アップデート、栃木県における小児の肥満予防の取り組みをレポートしました。 クレーム乗り越え3歳児健診からの肥満予防 小児の肥満は種々の合併症と関連し、確立された治療法もないため、肥満高リスク児の早期発見と予防は重要である。2013年から11年にわたり、3歳児健診を軸とした肥満児/肥満高リスク児への受診勧奨に取り組んでいる那須赤十字病院(栃木県)の市川剛氏は、周囲と協力関係を築く難しさなど小児の肥満をめぐる予防医療の実態を第45回日本肥満学会(10月19~20日)で報告。「高リスク児の半数は検出時点で普通体格であるため、『太っていないのになぜ病院に行かねばならないのか』と反発を受けるケースも少なくない」と説明し、脂肪リバウンド(Adiposity Rebound;AR)など小児の肥満に関する知識を周知・啓蒙する重要性を指摘した。... 肥満症治療GL、手術適応基準の変更点は 今年(2024年)7月、日本肥満症治療学会編『減量・代謝改善手術のための包括的な肥満症治療ガイドライン2024』(以下、GL2024)が11年ぶりに改訂された。北九州中央病院(北九州市)副院長の太田正之氏は、減量・代謝改善手術の現状とともに、手術適応基準や適応導入要件における主な変更点を第42回日本肥満症治療学会(10月19~20日)で解説した。これまで65歳までとされていた適応年齢は「年齢制限を設ける根拠はなし」に変更された。... チルゼパチド、日本人でも肥満に著効 2型糖尿病治療薬のGIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドは、非糖尿病の肥満/過体重患者を対象とした国際多施設第Ⅲ相臨床試験SURMOUNT-1で減量効果が確認されるなど(N Engl J Med 2022; 387: 205-216)、肥満症治療薬の新たな選択肢として期待されている。虎の門病院(東京都)院長の門脇孝氏らは日本人肥満患者を対象に減量を目的としたチルゼパチド投与の有効性および安全性を検討する国内第Ⅲ相多施設二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験SURMOUNT-Jを実施。... 2024年開催学会レポート一覧に戻る