女性医学とは、更年期を中心とした女性のライフステージ全般に関わるもので、生殖・周産期・婦人科腫瘍以外の広範囲な領域を扱っています。第40回日本女性医学学会は、会長を務めた東京科学大学大学院茨城県地域産科婦人科学講座教授の寺内公一氏の狙い通り、「あれも女性医学?」「これも女性医学!」とワクワクするような多彩なプログラム構成でした。今回はその中から、認知症診療における性差、月経前症候群と将来の血圧、今注目度の高いSGLT2阻害薬の副作用としての外陰炎に関する演題を取り上げます。 SGLT2阻害薬関連「外陰炎」、非薬理学的介入で改善 SGLT2阻害薬は糖尿病の他、心不全や慢性腎臓病にも適応が拡大し、使用患者が増加している。副作用として外陰炎が知られているが、対応に関してコンセンサスは得られていない。帝京大学ちば総合医療センター産婦人科の杉浦健太氏らは、同センターにおけるSGLT2阻害薬関連外陰炎の現状把握と適切な対応の検討を試み、第40回日本女性医学学会(11月1~2日)で結果を報告。「排尿後の濡れ清拭綿での清拭といった非薬理学的介入により症状が改善。服薬継続とQOL維持の両立がかなう」と述べた。・・・ 性差を意識した認知症の「予防」、「共生」とは 昨年(2024年)1月、認知症の予防(発症や進行を遅らせるための施策)と共生(認知症の人が尊厳と希望を持って認知症と共に生きること)を両軸とする「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行され、同年12月には認知症施策推進基本計画が閣議決定された。東京大学病院老年病科講師の亀山祐美氏は第40回日本女性医学学会(11月1~2日)で、性差を意識した認知症予防診療と共生について解説した。。・・・ 月経前症候群は将来的な高血圧の危険因子 月経前症候群(PMS)は、身体的・精神的な症状を伴う生殖年齢女性に多い疾患で、QOLに大きな影響を及ぼす。発症要因としてホルモン変動や自律神経の調節異常があり、危険因子は喫煙、BMI、食事内容などの生活習慣やストレスなど多岐にわたる。PMS患者の将来的な生活習慣病リスクについての研究は数が少ない上、結果が一貫していない。東京大学生殖発達加齢医学講座の賀博美氏らは、大規模な疫学レセプトデータベースを用いて、PMSと将来の高血圧、2型糖尿病、脂質異常症との関連を検討する後ろ向きマッチドペアコホート研究を実施。その結果、PMSが将来的な高血圧の危険因子になりうることが示されたと、第40回日本女性医学学会(11月1~2日)で報告した。・・・ 2025年開催学会レポート一覧に戻る