日本糖尿病眼学会は、糖尿病と眼疾患に関する最新知見を共有し、眼科と内科の連携を深める学術集会です。今回の取材では、薬剤の投与順序が疾患や腎機能に及ぼす影響について検討した発表の他、糖尿病網膜症の治療中に重症筋無力症の合併が疑われた1例、糖尿病腎症精査の契機となった糖尿病黄斑浮腫の症例報告などをピックアップ。診療連携の重要性があらためて浮き彫りになりました。 糖尿病黄斑浮腫では「腎機能」にも注意! 糖尿病網膜症(DR)と腎症は、糖尿病細小血管症の1つで、リスク要因が共通しているところが多く、DRは腎症の臨床経過を予測する因子になる(BMJ Open Diabetes Res Care 2019; 7: e000726)。また、糖尿病黄斑浮腫(DME)患者では、腎障害の進行に伴い血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬の効果が減弱することが指摘されている(J Clin Med 2022; 11: 7047)。他方、糖尿病腎症は末期腎不全の原因として最も多い疾患であるが、自覚症状に乏しく、改善の見込める腎症2期での診断が確実になされていないという。千葉労災病院眼科部長の高綱陽子氏は第32回日本糖尿病眼学会(1月16~17日)で、糖尿病腎症精査の契機となったDMEの70歳代女性と60歳代男性の2症例を紹介。「DME診療では眼底所見だけでなく腎機能も評価し、内科医と連携することでDMEと糖尿病腎症の双方の管理向上につながる」と述べた。・・・ 腎保護効果に差?SGLT2とGLP-1どちらが先か SGLT2阻害薬およびGLP-1受容体作動薬は、いずれも2型糖尿病患者における腎保護効果が示されている。両薬は併用されることがあるが、①単独療法と併用療法で腎機能に及ぼす影響が異なるか、②先行して使用する薬剤による腎保護効果に差はあるか-についてはエビデンスが不足している。福岡大学内分泌・糖尿病内科学教授の川浪大治氏は、自身らによる多施設共同後ろ向き観察研究RECAP(Diab Vasc Dis Res 2023; 20: 14791641231222837)の事後解析を実施。結果を第32回日本糖尿病眼学会(1月16~17日)で解説した。・・・ 局所性糖尿病黄斑浮腫、治療順序に有意性は? 局所性糖尿病黄斑浮腫(DME)の主因は、局所的に形成された毛細血管瘤(MA)を中心とした血管障害からの血漿成分漏出である。MAが存在する病態に対しては、直接/格子状網膜光凝固(PC)の有効性が指摘されている一方(Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 2021; 259: 815-836)、血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬ファリシマブがMA減少に寄与する可能性が報告されている(Invest Ophthalmol Vis Sci 2023; 64: 31)。福井大学眼科学教室の山田雄貴氏は、局所性DMEのMAを標的としたPCとファリシマブ硝子体内注射(IVF)の併用療法における治療順序について検討。結果を第32回日本糖尿病眼学会(1月16~17日)で報告した。・・・ 2026年開催学会レポート一覧に戻る