研究の背景:世界の誰もが持っている携帯電話,健康増進に役立つか? 電気通信事業者協会の発表では,2015年度の第1四半期において,日本の携帯電話の契約件数は約1億5,000万台であり,日本人の1人に1台以上の契約数となっている。このことは,携帯電話を利用した情報のやり取りが,社会に対して大きなインパクトを与えうることを示唆している。 このたび,オーストラリア・シドニー大学のグループが,携帯電話を用いて生活習慣改善に焦点を当てたメッセージを一方向性に送ることで,受信者の心血管危険因子に影響が出るかをランダム化比較試験(RCT)によって検証し,その成果を(JAMA 2015; 314: 1255-1263)に報告したのでご紹介したい。