脳と心の健康に良い食事パターンとは?

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研究の背景:脳も身体の一部、食事の影響を受ける

 言うまでもなく、私たちの身体は食べたものからできている。脳も例外ではない。食事が脳と心の健康に影響することは当然と言えるだろう。双極症と多価不飽和脂肪酸の関係も、その1例である(Transl Psychiatry 2024; 14: 435)。

 最近、食事パターンと脳の関連を示した興味深い論文が報告されたのでご紹介したい(Nature Mental Health 2024; 2: 535-552)。この論文では、英国バイオバンクの18万1,990人の参加者の食の好みに関するデータを用いている。

 なお、英国バイオバンクでは、全てのデータを公開しており、申請した研究者に提供しているため、世界中の研究者がこのデータを用いてさまざまな解析を行っている。英国バイオバンクのデータを用いた論文は、(特にアジアの大国から)次々と発表されている。サンプル数が多いだけに、さまざまな研究が行われており、中でも新型コロナウイルスへの感染によって、脳の形態が変わることを報告した論文は衝撃的だった(Nature 2022; 604: 697-707)。

加藤 忠史(かとう ただふみ) 

 順天堂大学精神医学講座主任教授。1988年東京大学医学部卒業、同病院で臨床研修、1989年滋賀医大精神医科大学講座助手、1994年同大学で医学博士取得、1995年米・アイオワ大学精神科に留学(10カ月間)。帰国後、1997年東京大学精神神経科助手、1999年同講師、2001年理化学研究所脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チームリーダー、2019年理化学研究所脳神経科学研究センター副センター長を経て、2020年4月から現職。

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