腎移植患者のB型肝炎ワクチン、行き着く先は?
調べても分からないから研究した
研究の背景:なんとなく実践される「交互に使ってみる」戦略
固形臓器移植(SOT)のレシピエントは、免疫抑制剤を使用するため感染リスクが高い。よって、各種予防接種が推奨される。詳しくは拙著『医学生・研修医のための感染症内科』を参照されたい。
神戸大学病院では腎移植患者のワクチン接種をわれわれ感染症内科が担当している。中でも重要なのがB型肝炎ワクチン(HBVワクチン)だ。HBVワクチンは6カ月間に3回接種するのが一般的だ。厳密に言えば「不活化」しているわけではないのだが、慣例的に「不活化ワクチン」の呼称が普及している。焼いていないのに「チャーシュー」と呼ぶようなものだ(笑)。詳しくは、私が書いた光文社新書のワクチン3部作(『予防接種は「効く」のか?』『ワクチンは怖くない』『ワクチンを学び直す』)をお読みいただきたい。
3回終了後にHBs抗体を測定し「ワクチンが付いているか」確認する。陰性(10IU/mL未満)の場合は1〜3回追加接種(ブースター)を行う。それでも抗体が付かない場合は、これ以上の追加接種は行わない。液性免疫に依存する抗体は付いていなくても細胞性免疫はある程度付与されているだろう、という推測に基づいている。
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