作成チームの強い思いで実現した年内公開 昨年(2025年)12月25日、日本うつ病学会の『うつ病診療ガイドライン2025』が公開された。年末に出すくらいなら、1週間待って2026年にしたらよいのに、と思う方もおられるかもしれないが、本来は第22回日本うつ病学会(2025年7月11~12日)でお披露目するはずだったので、「是が非でも2025年のうちに出したい」という作成チームの強い思いがかなったというところであろう(関連記事「作業大詰め!『うつ病診療ガイドライン2025』」)。 本稿では、このガイドラインを取り上げたい。 日本うつ病学会によるガイドラインは、2011年に発表された双極性障害(双極症)が最初で、翌2012年にうつ病のガイドラインが発表された。その後、日本医療機能評価機構(Minds)の診療ガイドライン作成マニュアルが発表されたことに伴い、これに準拠した形でシステマティックレビューを基にした改訂が行われ、双極症のガイドラインは2023年に、そして今回うつ病のガイドラインが4年かけて、多職種、当事者らとの協働により改訂された(前回の2016年から9年ぶりの改訂)。 このガイドラインは335ページに及ぶ大部なものであり、全てを紹介することはできないが、ポイントとなる推奨の内容を紹介してみたい。なお、エビデンスの確実性により「推奨」が決定され、推奨に至らないものは「提案」とされている(図1)。 図1. 推奨度のレベル