ドクターズアイ 今野良(産婦人科)

SGLT2阻害薬と尿路・生殖器感染症―「怖いから使わない」?

エビデンスに基づく臨床的マネジメント

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研究の背景

 SGLT2阻害薬は、近位尿細管での糖再吸収を阻害し、尿糖排泄を促進することで血糖を低下させる画期的な薬剤である。現在では血糖降下作用にとどまらず、心不全や慢性腎臓病(CKD)に対する強力な保護効果が確立されており、内科診療において不可欠な地位を確立した。

 しかし、その作用機序は「尿中に大量の糖を排泄する」という、従来の生理学的常識から見れば異例の状態を創出する。このため、高濃度の尿糖が細菌や真菌の温床となり、尿路感染症(UTI)や生殖器感染症(GTI)のリスクを増大させることが、臨床導入当初からの最大の懸念事項として議論されてきた。本稿では、最新のレビュー(J Clin Med 2025; 14: 1960)に基づき、これら感染症の実態を再検証する。

今野 良(こんの りょう)

自治医科大学名誉教授、自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科、メディカルコンサルH&B代表、特定非営利法人子宮頸がんを考える市民の会理事長

日本産婦人科学会(専門医)、日本婦人科腫瘍学会(専門医)、日本産婦人科内視鏡学会(理事、技術認定医)、日本臨床細胞学会(専門医)、日本エンドメトリオーシス学会(理事)、日本婦人科がん検診学会(2012年学術集会長)、日本美容内科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本産婦人科医会、日本旅行医学会など。
ASCO(米国臨床腫瘍学会、子宮頸がんガイドライン作成委員・外部評価委員)、AOGIN(アジアオセアニア生殖器感染症および腫瘍に関する学会、日本代表理事、2017年TOKYO meeting会長)、Aesthetic &Anti-Aging Medicine World Congress(世界美容医療・アンチエイジング医学会)、World Endometriosis Society(世界内膜症学会)など。

今野 良

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