クラミジア肺炎は存在しない?

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研究の背景:ほとんどまともな診断ができないのが現状

 市中肺炎のうち、非定型病原体として有名なのがマイコプラズマ、クラミドフィラ、レジオネラの3つである。これらの病原体による市中肺炎をまとめて非定型肺炎と呼ぶことが多い。しかし、私は少なくともレジオネラだけは別疾患として扱うべきと考えている。なぜなら、レジオネラ肺炎はこの3つの中で死亡リスクが最も高い重症感染症であり、他の非定型肺炎とは臨床像が全く異なるためだ。

 さて、今回取り上げるのは、最もマイナーな非定型肺炎、クラミドフィラ肺炎である。慣習的に「クラミジア肺炎」と呼ばれることも多いが、1999年にChlamydia pneumoniaeからChlamydophila pneumoniaeへ菌名が変わっているので、クラミドフィラ肺炎と呼ぶ方がふさわしいだろう(タイトルを「クラミジア肺炎」としたのは、担当編集者に「先生、こっちの方が絶対にクリックされますから」と泣き付かれたためである。なお、「存在しない?」としたのは「クラミジア肺炎」という言葉が誤用だという意味ではない)。

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